2015年9月。第38回日本美容外科学会が横浜で開催され、その中でミラドライのイブニングセミナーが行われました。
座長の医師は「画期的な機器」と言われていたそうですが、質疑応答の中「効果が見られない」という実際の患者の意見をぶつけられた医師もいたそうです。
確かに高価な治療ですので、100%の満足が欲しいところですが、第2回目の「ミラドライの効果」でもお伝えした通りパーフェクトとはいかないようで、美容医療業界でも様々な意見が飛び交っています。
今回は最終回ですので、「本当にミラドライ治療をして大丈夫なのか?」「ミラドライに再発はないのか?」そんな不安を検証していきます。
わきがで悩んでいる人は、想像以上に長い間苦しみ続けて疲れているはずです。あなたもそうなのではないでしょうか?
びくびくしながら治療に向かうのでは心が折れてしまいますね。前向きにアクティブに挑めるようしっかりとお伝えしていきます!
ミラドライ~1年ほどで発汗量が数%回復|再発のメカニズム

ミラドライ治療を受けて「効果がなかった」という感想を持つ人がいることは事実です。しかし、実際に私の友人Eのように「効果には満足しているし、やってよかった!」という人が多くいることもまた事実なのです。
ところで、効果があった場合でも数年後に汗や臭いが再び増えてくることはないのでしょうか?
第2回目の「ミラドライの効果」でも再発について少し触れていますが、結論から言うと、効果があった場合でもミラドライの施術後、「数カ月~1年ほどで発汗量は数%戻る」というのがリサーチの結果です。
冒頭での傷心の人達がいるのを認めつつも、筆者は「ミラドライは半永久的な高い効果をもたらす」と考えています。なぜなら、身近で実際に改善し、日々効果を実感して喜んでいるEを見ているからです。ですからきっとあなたにもわきが改善の効果があるはずなのです。
それを裏付けるためにも、まずは発汗量が戻るまでの期間と、なぜ発汗量が少し戻ってしまうのか詳しく見ていきましょう。
発汗量が戻るまでの期間|ミラドライは根治治療ではない
これは第2回目の「ミラドライの効果」でお見せした、ミラドライの有効性を検証するための臨床実験のデータです。これをみてもわかるように、ミラドライ治療をして効果を感じた被験者でも80%の汗の減少率にとどまっています。

どういうことかというと、そもそもミラドライは100%根治のできる治療ではないということです。もちろんこれは他の全ての治療にもいえます。
そして、上図のように1か月後→3か月後を見ると汗の減少率が下がっています。これは汗の発汗が回復したという事実を示します。その後は半年後→1年後と8割強の汗の減少で安定へとはいっていくのです。
同様に臭いの度合いも同じように下記のようになります。
- 1か月後:平均9割の減少
- 3か月後:平均8割弱の減少←発汗が回復しているため
- 半年後:平均8割強の減少←前の測定日からの臭いの慣れ・安定期に入ったため
- 1年後:平均8割強の減少
このようにミラドライは、100%の根治治療ではなく、その効果の継続も数カ月~1年ほどで数%戻ってしまうことがわかります。次に発汗量が回復してしまう理由についてお伝えします。
発汗量回復の理由|4つの可能性

- 汗を出す神経の回復
- 破壊が不完全だった汗腺の再生
- 生き残った汗腺の発達
- 新しい汗腺の形成
【汗を出す神経の回復】
発汗には自律神経という名の神経が関与しています。体温の上昇や緊張が起こると自律神経から汗腺に「汗を出せ」と指令が出され、わたし達の意思と関係なく自動的に汗が出てきます。
ところがミラドライの照射直後は皮膚の中で発生した熱によって、自律神経もダメージを受けているのです。
ダメージを受けた自律神経は指令を出せず、生き残った汗腺も神経からの指令がこないので汗が出せない状態、休止状態になるというわけなのです。
しかし、一定期間(数カ月~1年ほど)時間が経つと、神経はダメージを修復し再び汗腺に命令を出せるようになります。これにより活動を休止していた汗腺が再び汗を出し始める、そのため発汗量が回復したと思ってしまうのです。
【破壊が不完全だった汗腺の再生】
ミラドライはマイクロウェーブという電磁波の熱によって、汗腺を破壊していくという治療法です。しかしこの汗腺、実は深さにある程度のバラつきがあり、また皮膚側にめり込んでいる場合や、ワキの下から乳輪につながるラインなど、ワキの下のみならず広い範囲にアポクリン腺が存在する場合など、範囲を超越していることも少なくないのです。
そのため、熱が少ししかあたらない汗腺も当然ながら出てきてしまいます。このような汗腺は、治療直後は少しダメージを受けているので働きませんが、一定期間を経て修復されれば、再び汗を出すようになってしまうのです。
【生き残った汗腺の発達】
ミラドライは多くの汗腺を破壊し、大幅に数を減らすことができますが、ごく一部の汗腺は生き残ります。
そして、この生き残った汗腺は日が経つにつれて、他の破壊された汗腺の代わりをするように大きく発達してくることがあるのです。
これは人間の回復機能と言えますが、残された汗腺が通常以上の働きをすることにより発汗量が増えてしまうように感じるというわけです。
【新しい汗腺の形成】
わきがのもととなるアポクリン汗腺は、成長期を迎えるころに形成され発達してきます。その後発達速度は落ちますが、30歳くらいまで新しい汗腺が作られ続けていると言われています。
これにより、年齢によってはミラドライ治療後も新しい汗腺は作られ、新しい汗腺からは当然に発汗するため、汗の量・臭いが戻ったと感じてしまうこともあるのです。
これら4つの理由により、数カ月~1年ほどで発汗量が戻ってしまうことがあるのです。しかしながらこれは人間の「生物としての回復機能」によるものであり、回避することはできません。
当然、ミラドライによって破壊された多くの汗腺があるので、発汗量がもとのように戻ってしまうことはないのですが、これらの事象を踏まえて、数%回復してしまうということになります。
またこのほかにも、わきがは性ホルモンの作用によって発生をすることがあるため、妊娠や出産、月経などの性ホルモンの影響を強く受ける期間に、一時的にわきがの症状が出たり、アポクリン汗腺の回復が見られたりする場合もあります。
しかし、ミラドライは決して無意味な治療ではありません。クリニックや医師の選択を間違えてしまうと「治療が不完全」ということが考えられますが、これは手術も同じです。
ミラドライは「生物としての回復機能」を考慮しても十分にあなたを満足させてくれる有効な治療なのです。
後悔しないためにやったことベスト3|成功の鍵は医師にあり!

ミラドライ治療をうけて、満足のいく結果を手に入れた人はたくさんいます。それは個人が慎重であり、なおかつ自分で選択肢を増やす努力を怠らなかったからだと筆者は考えます。友人Eもしかり。
選択肢を増やす努力とはどういうことでしょうか?それは後悔しないために、自分にあった最高のクリニック・医師を探す努力です。
それでは、先人が後悔しないためにやったこと、3位から見ていきましょう!これはあなたも是非真似してください。幸せな未来を手に入れるのに必要不可欠の事項ですよ。
【第3位】地域限定でクリニックを選ばず、全国の医療機関を対象とした

家から近い方が便利なのは当然ですが、地域限定で選ばず、近隣県はもちろん、全国にまで範囲を広げてわきが治療・多汗症治療のクリニック・医師を調べることが大切です。
また、全国展開しているクリニックだからどこに行っても大丈夫!という考えも捨てましょう。各クリニックによって地域性や在籍医師が違います。HPや口コミを鵜呑みするのも間違いのもとになります。
自分の未来がかかっていることですからね。時間をかけても自分の納得するクリニック・医師を探すのが成功の鍵です。
【第2位】料金の安さでクリニックを選ばなかった

ミラドライの治療は100%自費の治療であり高額です。そのため、1万でも2万でも安く済ませたいと考えるのは当然のことでしょう。
しかし、そこだけを見てしまうと、クリニックの質や医師の技術力は二の次となってしまいます。
当然に、クリニックが掲げるモニター価格やキャンペーン価格に釣られないでください。
また、カウンセリング当日に「本日治療すれば○○引き!」という言葉をかけられたとしてもはっきりと断りましょう。実際には問題ないのかもしれませんが、検討途中で安易に飛びつかず、一度家に持ち帰りしっかりと検証してくださいね。たかだか○○引きのために、一生後悔することのないようにしましょう。
【第1位】ネットの口コミのみを参考にせず、直接クリニックに赴いてカウンセリングをしたりメール相談をしたりした

○○認定医や○○専門医などの肩書だけを重視したり、クリニックで掲げる症例数を鵜呑みにしたりすることも危険です。新人研修に力を入れているクリニックもありますし、カウンセリングだけして施行は看護師がするというクリニックも多くあるのが現状です。
面倒でも必ず赴き、その目で誰が自分の治療を行い、責任を持ってくれるのかを見極めてください。家が遠い場合はなおのことです。メールカウンセリングは何度しても問題ありません。何度でも納得するまで確認することが大切な鍵になります。
日本に美容外科医は900人くらいいるそうです。その中から一人の医師をあなたが選ぶのです。容易なことではありませんね。しかし良い医師は必ずいます!あなたの思いのたけをぶつけて、人生をハッピーにしてくれる医師を探しましょう!あなたの今までの悲しみの分、最高の満足が得られると信じています。
まとめ
友人Eの退職をきっかけに、たくさんのわきが・多汗症を調べてきました。そしてその後、友人Eはヨガインストラクターに、筆者は文字を通して、今回5回に渡りその情報をあなたに発信してきました。
1回目ではミラドライを他治療と比較し、そのメリットを確認しました。以下ミラドライのメリットです。
- 傷跡が残らない
- FDA承認器機で安全性が高い
- 長期間の持続効果
2回目は症例データからミラドライの効果を導き出しました。
- 100%汗が出なくなるのではない
- 万人に等しく効果があるのではない
3回目は友人Eの体験記を追ってミラドライの腫れ・痛み・術後にやること、についてお伝えしました。
ミラドライの腫れ
- ボールをワキに挟んだようなイメージで、腫れでワキがしまらない
- 腫れのピークは当日~3日目
ミラドライの痛み★★ (5段階★評価)
- 麻酔の注射 ★★★
- マイクロウェーブ波の照射 ★
- 痛みのピークは当日~3日目
術後にやること
- 当日~3、4日は暇があったらとにかく冷やす
- 治療20日後くらいからマッサージをする
- クリームをこまめに塗り、色素沈着をなくす
そして4回目はミラドライの副作用についてです。
ミラドライの副作用は「期間限定要素」が強い
- 効果や副作用には「照射方法・レベルの調整」・「麻酔量の調節」をできる技術力が大切
- 熟練した、信頼できるわきが・多汗症の医師に直接施行をしてもらうことが必須
最後に5回目。今回お伝えしたのは再発(汗腺復活)と、知らないと後悔することについてです。汗腺復活を再発とするならば、再発はあります。しかし考えられる復活は生物としての回復機能なので回避することは難しいでしょう。汗腺復活の可能性は次の通りです。
- 汗を出す神経の回復
- 破壊が不完全だった汗腺の再生
- 生き残った汗腺の発達
- 新しい汗腺の形成
そして、生物としての回復機能以外に考えられる、再発・失敗の可能性を最大限に回避する鍵、後悔しないポイントは3つです。
- 地域限定でクリニックを選ばず、全国の医療機関を対象とする
- 料金の安さでクリニックを選ばない
- ネットの口コミのみを参考にせず、直接クリニックに赴いてカウンセリングをしたりメール相談をしたりする
今回この5回を通して、あなたの長年の悩みを解決するお手伝いができたでしょうか?
シャツに黄ばみが付くことも、臭いを気にして人だかりを避けてきたことも全部過去の事として葬りましょう。きっとできます!
あなたには臭いを気にしない生活が待っているのです!
最後に、再発を考慮してもミラドライの効果は満足に値すると筆者は考えます。1日でも早くあなたが臭いのストレスから解放されることを祈っています。