わきがは自分自身で自覚をしている場合と、気づいていない無自覚の場合があります。
友人Eは前者でした。
そして、「やれる対策はやっている」「なぜそこまで言われなければならないのか」そのように思っていたと言います。確かに、他人に体臭を指摘されるのはとてもショックで憤りさえ感じますよね。
しかし、わきがは自分だけの問題ではありません。周りの人を不快にし、あなたの評価をも落としかねないのです。
Eはわきがを治すために動き始めました。
今回は、Eが取捨選択し、たどり着いたミラドライの効果についてご紹介します。
はたして効果にはしっかりとした確証があるのでしょうか?また、料金はどのくらいかかってくるのでしょうか?
ちまたに流れるミラドライのウソとホントを解明します!「臭いを気にしない生活」への近道として、これは必見ですよ!
効果は100%ではない|わきがの度合いと個人の価値観

① アポクリン汗腺の機能を抑制、または除去すること。
② アポクリン汗腺からでた微量の汗でも、エクリン汗腺からでた汗で広げないこと。
わきがの臭いを発生させないためには上記の2つが必至となります。
ミラドライはマイクロ波の熱によって、汗やにおいのもととなるアポクリン汗腺とエクリン汗腺の2種類の汗腺を凝固し焼灼します。理論的には①②ともにミラドライでクリアできるというわけです。
では、どのくらいの確率で汗が減少することができるのでしょうか?また、誰にでも同じ効果をもたらせてくれるのでしょうか?
治療データをもとに検証してみました。
発汗減少率は80%|100%汗が出なくなるはウソ
ミラドライの有効性を検証するために臨床実験が行われました。
下図は、ミラドライを1度照射してから、1か月後、3か月後、半年後、1年後と被験者の汗の発汗の減少を計測したデータです。

これによると、1回の治療で発汗が平均80%減少したということです。もちろんこの事実は周知のことで、カウンセリング時に必ず医師から説明があります。
これはちまたで聞く、「ミラドライ治療をすると100%汗が止まる」という噂がウソであるということがわかりますね。この事実を「約80%も減少するなんて十分」ととらえるか「約80%の減少では少ない」ととらえるかは個人の価値観によることでしょう。あなたはどちらでしょうか。
友人Eは前者でした。「ハッピーが80%で、気遣いは20%で済む」というのが彼女の考えでした。幸せになるにはある程度のポジティブさも必要なのかもしれませんね。
参考文献
http://www.pmda.go.jp/medical_devices/2018/M20180611001/340679000_23000BZX00161000_J100_1.pdf
ミラドライ効果がないと感じる理由|万人に効くはウソ

友人Eのわきがの程度は、おそらく軽度~中度くらいだったと予想します。耐えがたい臭いを四六時中放っていたわけではなく、わきに鼻を近づけて良く嗅げばわかる程度でした。
はたして、ミラドライはEにも80%の発汗量の減少を与えてくれるのでしょうか?
さらに調べていくと「1回では80%も効かなかった」という経験者がいることがわかりました。また、「直後は効いているようだったか汗の量が戻ってきたように感じる」という感想を持っている人も少なくなかったのです。なぜこのようなバラつきがでてしまうのでしょうか?
主な理由は次の3つです。
- 非視下の限界
- 汗腺の活動再開
- 医師の技量
再発について詳しくは第5回でお伝えしますが、今回は効果が少ない理由を取り上げていきます。せっかく勇気を出して治療に踏み切ったものの、効果が芳しくなかったらがっかりですし、失敗と疑ってしまいますよね。しかし、あなたのアポクリン汗腺の状態によっても効果が変わってくることもあるのです。見ていきましょう。
非視下の限界

照射しきれない部分をカバーするため、数回の照射で網羅していくのがベストと言えますが、このような理由により1回では効果が少ないと感じてしまうこともあります。
汗腺の活動再開

ミラドライで治療をすると、少なからず腫れがでて汗腺が圧迫されたり、神経がダメージを受けたりします。
しかし時間の経過(数カ月~1年ほど)とともにそれらは当然におさまっていくので、数か月後には圧迫も治まり、神経も回復し、汗腺が活動を再開するのです。これは生物の回復機能と言います。
また、成長期で新たな汗腺が作られたり、妊娠や更年期などホルモンバランスによって汗腺が復活したりすることも汗が増える理由の一つです。
全く発汗がない時期を経験すると、「以前に戻った」と過剰に感じてしまうかもしれませんが、これは勘違い。
効果が少ないのではありません。治療前と比べると臭いも汗の量も改善されていることがほとんどなのです。
医師の技量

先にも記しましたが、ミラドライの照射範囲は憶測であるため、十分な照射レベルで、もれなく照射することがポイントとなります。
しかし、仮に医師の技術力が不足していた場合などは、治療の照射範囲を漏らしてしまうということは十分に考えられます。
筆者は、効果が少ないと感じるもっとも大きな理由は医師の技量ではないかと考えます。
広告やネットの情報に惑わされず、自分でクリニックに赴き、何度でも医師と話しをして、信頼できる医師を探すことが大切ですね。クリニック・医師の探し方は第5回で詳しく説明します。
このように見てくると、個人の体質やわきがの度合いも然り、生物の回復機能で避けられない場合や、個人の選択で回避が不可能になってしまう場合など「万人に同じように効く」というのは難しいことがわかりますね。
これを踏まえて筆者としては、「十分な効果の保証じゃない治療」という気持ちが占める中、Eは「80%汗が減少する可能性がある」と意欲満々でした。
さて、そんなミラドライはいったいいくらくらいの治療費がかかってくるのでしょうか?
とにもかくにも、ミラドライのリサーチは続きます。
ミラドライって高い?|わきが治療に保険が効くはホント

ミラドライの治療は保険適応外です。いわゆる自費診療になり、100%の自己負担となります。
では、保険が適用するわきが治療はないのでしょうか?
保険適用は次のような決まりがあります。
保険は、「悪臭はなはだしく他人の就業に支障を生じる事実が明らかであって、客観的に 医療使うべき必要がある場合は、給付して差し支えない。軽度のものは給付外」。
すなわち、医師により「重度のわきが(腋臭症)」と診断された場合のみ、保険適用となるということです。そして、その手術法も剪徐法(せんじょほう)以外は認められていません。
剪徐法とミラドライを比較|治療費VS傷跡
剪徐法とミラドライを比較してみました。
効果 | 傷跡 | 通院回数 | 保険適用 | 金額 | |
剪徐法 |
◎ |
△
|
あり
抜糸などの術後の経過診察が要 |
◎
重度の場合のみ |
¥20,000 程度 |
ミラドライ |
〇 |
◎ |
基本なし
効果の継続のため必要なことあり |
× |
¥300,000
~ ¥400,000程度 |
もし、あなたが保険を使いたいと望むならば、一度保険診療の形成外科や皮膚科で診察を受けることをおすすめします。金額にして多くて20倍違いますからね!
ちなみに、Eはわきがの保険診療で診察を受けることはしませんでした。なぜなら、すでに傷跡が残る治療法は除外していたからです。
これは個人の事情も大きく関わってくることです。30万~40万を将来への投資として安いとみるか、根治を重点におき安価で治療するか。
あなたは何を最重要視するでしょうか?傷跡?お金?効果?すべてをバランスよく補ってくれる治療がベストです。そして、未来のあなたを苦しませない選択をしていきましょうね!
まとめ
今回はミラドライの効果と傷跡、そして料金をお伝えしました。
効果では、平均80%以上の人の発汗の減少が認められたというデータから、以下のことがわかります。
- 100%汗が出なくなるはウソ
そして、「効果を感じない」「効果が少ない」という感想を持っている人からは以下のことが導き出されました。
- 万人に効果があるはウソ
また治療費に関しては、30万~40万と非常に高額です。
- 治療費は「自費診療のため高い」はホント
- 重度のわきがの場合、「剪徐法により保険が適用される」はホント
ミラドライ治療において、クリニックによっては2回目以降の割引や、保証などのサービスを行っているところも少なくありません。
しかし30万円~40万円という金額は、一般平均収入であるわたし達にはとても高額で、ローンを組んで治療に臨む人も少なくないのです。
ちなみにEは、「いままでの苦しみや悲しみ、気遣いを続けなくてよいならば安いものだわ!」と、鼻息荒く言っていましたっけ。どこまでもポジティブな友人にはびっくりします。
そうして、わたし達は次のステップ、治療の腫れや痛み、ダウンタイムなどをリサーチしていくことにしたのです。
あなたはどう考えますか?目的は安く済ませることではありません。あなたの将来を、より楽しく笑顔溢れるものに導くことが目的なのです。あなたもわきが臭の緊張とストレスを、美しく解消していきましょう!